保存車・廃車体めぐり
日本国有鉄道 ヨ3500形
三重県鈴鹿市山辺町 JR東海関西線河曲駅

 ヨ3500形は,1950(昭和25)年から1958(昭和33)年まで1,345両(3500〜4844)が製造された標準的な車掌車であった.一部の車両は,戦時設計の 3 軸無蓋車トキ900形の部品を流用して製造された.1 段リンク式でありながら75km/hの走行性能を持っていたが,後に,北海道内・四国内専用の運用車と信越線横川−軽井沢間通過(高崎操−直江津間)運用車を除き,2 段リンク式に改造されて走行性能は85km/hに向上し,ヨ5000形に編入された.

 この廃車体は車体のみで,駅の待合室となっている.そのような利用例は北海道や山陰ではよく見られるが,東海地区では珍しい.形式表記は塗装が浮き上がっているものの判読可能である.しかし,車両番号は全く判読不能.製造所銘板も失われている.ガラス破損のため,窓には透明なアクリル板が取り付けてあるが,まずまずの管理状態である.

(1997. 9.14調査)

ヨ3500
ヨ3500(1997. 9.14撮影)
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鉄道友の会名古屋支部