保存車・廃車体めぐり
東京都交通局 H1,H2
愛知県豊川市穂ノ原 日本車輌製造豊川製作所

 上野懸垂線(上野動物園東園−上野動物園西園間0.3km)は,地方鉄道法に基づく初のモノレールとして1957(昭和32)年12月17日に開業した.車輪が軌道桁上部にある独自の懸垂方式である.同線は次世代都市交通の実験線としての目的も持っていた.

 この車両は開業時に製造された形式H形で,2両 1編成.都市交通機関として実用化する際の約半分の大きさで設計され,車長約 9m.扉は片側のみで,中央部に 1箇所.軽量化のため,車体にはアルミ合金とFRPを使用している.

 1966(昭和41)年12月まで使用された後に,製造会社である日本車両が譲り受け,1971(昭和46)年より豊川製作所正門西側に展示している.同社創業100周年にあたって整備が施された.座席は撤去されているが,保存状態は全体的に良好である.なお,現在の同線の車両は 3代目である.

(1998.11.21調査)

H1, H2
H1, H2(1998.11.21撮影)
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鉄道友の会名古屋支部