オハ35系は国鉄客車の標準型の一つで,戦前から戦後にかけて2,000両以上が登場した.1,000mm幅に拡大された側窓が特徴である.この系列の緩急車はオハフ33形で,1939〜1943(昭和14〜18)年製の車端丸屋根・TR23台車のグループ(1〜346),1947〜1948(昭和22〜23)年製の折妻形・TR34台車のグループ(347〜606),他形式から改造編入のグループ(607〜627,630,1001〜1033,1501〜1568)に大別できる.
元はオハフ33 1527で,1500番代は戦後製オハ35形(折妻形,TR34台車)からの改造車である.同車はその中で,出入台部屋根に絞りがあるタイプ.1947(昭和22)年 3 月,日立でオハ35 1042として製造,1964(昭和39)年12月に高砂工場で緩急設備が取付けられた.新製配置は宮原区で,竜華区,亀山支区と移り,1984(昭和59)年 8 月に廃車.翌月,樽見鉄道のラッシュ輸送用としてオハフ501とともに譲渡され,塗装を変更,石油ストーブが設置された.なお,1954(昭和29)年に名古屋工場で更新修繕,1974(昭和49)年に高砂工場で体質改善工事を受けた.1988(昭和63)年 4 月,ぶどう色と赤帯の塗装に復元されたが,1990(平成 2)年 3 月に廃車,翌々月,谷汲村に寄贈された.
腐食や退色が激しく,状態は良くない.なお,「(戦後製のオハフ33形は)21年から24年にかけて35両製造された」という説明板の記述は疑問.
(2001.12. 2調査)
|