保存車・廃車体めぐり
日本国有鉄道 ナハネ20 2237
三重県鈴鹿郡関町新所町 町営国民宿舎関ロッジ

 1958(昭和33)年登場の国鉄20系寝台客車は,新たな設計思想が取り入れられ,その豪華な客室設備は「走るホテル」と称された.1970(昭和45)年まで製造が続けられたが,その後は時代の要求に合わなくなり,1976(昭和51)年から急行列車へ転用されていった.

 2〜3 両の寝台車を連結する急行列車では12系客車が併結されたが,20系と電源電圧が異なるため,変圧器を設置したナハネ20形1000番代を介して12系から給電が行われた.同2000番代は変圧器を持たない中間連結用で,8 両が改造された.

 ナハネ20 2237は,1968(昭和43)年日車製のナハネ20 237を1978(昭和53)年に幡生工場で改造した車両で,急行「さんべ」用として米子客貨車区へ配置された.1985(昭和60)年の廃車後に関町が購入し,同年 8 月 1 日から宿泊設備として使用している.車内は新幹線や寝台列車の名が付いた個室 5 部屋となっているが,外観はそのままで,保存状態は良好に保たれている.

(1999. 4.29調査)

ナハネ20 2237

ナハネ20 2237

ナハネ20 2237(1999. 4.29撮影)
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鉄道友の会名古屋支部