保存車・廃車体めぐり
日本国有鉄道 ナハ21 9
三重県松阪市大津町 カラオケ列車ポッポーパルコ

 1958(昭和33)年登場の国鉄20系寝台客車は,新たな設計思想が取り入れられ,その豪華な客室設備は「走るホテル」と称された.1970(昭和45)年まで製造が続けられたが,その後は時代の要求に合わなくなり,1976(昭和51)年から急行列車へ転用されていった.

 20系には当初,座席車が存在したが,それらは1975(昭和50)年までに形式消滅した.しかし,編成ごと急行列車へ転用する際に,再び座席車が必要になったため,A寝台車ナロネ21形から上段寝台撤去などの改造により,16両のナハ21形が誕生した.

 ナハ21 9は,1968(昭和43)年日車製のナロネ21 128を1978(昭和53)年に高砂工場で改造した車両で,宮原客車区に配置されて,急行「だいせん」に使用された.1987(昭和62)年に廃車となったが,辻井工業がレジャー施設用として購入し,現在は,お座敷カラオケルームとして利用されている.保存状態は良好.

(1999. 4.29調査)

ナハ21 9
ナハ21 9(1999. 4.29撮影)
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鉄道友の会名古屋支部