保存車・廃車体めぐり
名古屋鉄道 モ7027,モ7028
愛知県豊明市間米町 中京競馬場

 1961(昭和36)年6月に登場したパノラマカー・名鉄7000系は,前面展望式の客室構造,2階に設置した運転台,固定式の連続側窓,スカーレット1色塗装など,当時としては画期的な車体を有する車両であった.1975(昭和50)年7月まで9次にわたり,合計116両が日車で新製され,名鉄を代表する車両となった.登場から40年余りが経過した現在は,主役の座を後継車両に譲り,一部に廃車が出ている.しかし,乗車時の快適さはいまだに失われない希な車両である.

 先頭車モ7000形は全部で48両(7001〜7048)が新製された.モ7027,モ7028は1968(昭和43)年10月製で,支線直通運用を増強するため,先頭車のみ4両が製造された4次車に属する.屋根上の冷房装置はポンプレス式のRPU1504,台車はダイヤフラム形空気ばねのFS335Bである.特別整備は未施工.

 この3両は最後にモ7089,モ7092とともに4連を組成していたが,2002(平成14)年4月に廃車となった.その後,舞木定期検査場で整備の上,同年7月に中京競馬場スタンド東側の芝生広場に搬入,翌月よりアミューズメントスポット「パノラマステーション」として公開された.中央競馬開催時に見学ができる.公開に際して,ホームを模したウッドデッキ側の側扉に把手を取り付け,車内に店舗用空調機を設置している.モ7027は,女性係員の案内による運転台見学が可能で,ミュージックホーンを鳴らすこともできる.

(2002. 9.14調査)

モ7027
モ7027(2002. 9.14撮影)
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鉄道友の会名古屋支部