保存車・廃車体めぐり
名古屋鉄道 モ60
愛知県岡崎市岩津町 信光明寺

 モ50形(50〜66)は,軌道線 2軸単車のうち戦災復旧車をまとめた形式で,元・美濃電軌の車両(50〜58,65,66)と元・岡崎電軌(59〜64)の車両に分かれる.

 写真のモ60は,岡崎電軌の改軌・電化用として1912(明治45)年に名古屋電車製作所で製造された 4両のうちの 3号で,当初はダブルルーフ,オープンデッキであった.その後,三河鉄道への合併を経て,1941(昭和16)年に名鉄モ50となった.1946(昭和21)年,名古屋造船で戦災復旧工事が行われ,全長約 8m,シングルルーフ,側扉付きの車体となり,1949(昭和26)年にモ50形60に改番された.廃車は1962(昭和37)年で,岡崎市内線廃止の日まで活躍した.

 同線のほとんどの車両は,廃止後に学校・個人などに譲渡された.モ60の車体もそのときに当地へ搬入されたと思われるが,40年近い年月が経った現在,車体の一部や屋根の骨組などだけが残る無惨な姿となっている.

(2000. 2.20調査)

モ60
モ60(2000. 2.20撮影)
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鉄道友の会名古屋支部