国鉄381系は,自然振子式車体傾斜機構を備えた特急形電車として,1973(昭和48)年 7 月より名古屋−長野間の特急「しなの」で営業開始し,同区間のスピードアップに貢献した.車体は軽量化のためアルミ製で,低重心構造となっている.また,自動化された客室仕切扉や,ブラインドカーテン内装式の二重側窓も特徴的である.
クハ381形は1973(昭和48)年 5 月から1982(昭和57)年 6 月までに,62両(1〜18,101〜144)が新製された.100番代は前面非貫通形である.
クハ381-1は1973(昭和48)年 5 月に川重で製造された.当初は長野運転所に配置されたが,1982(昭和57)年11月に神領電車区に転属となった.前面は貫通形であるが,国鉄時代には貫通路を使用することはなく,JR移行後に行われ車両増結の際に初めて使用された.また,1983(昭和58)年10月には,ボルスタレス式台車TR908の現車試験を当車で行っている.383系への置換えにより,1998(平成10)年12月に廃車となったが,モハ381-1,モハ380-1,クロ381-11とともに,シートに包まれて保管されている.
(2001. 8.30調査)
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