蒸気動車は客車に蒸気機関を備えて自走可能にした車種で,小規模・高頻度輸送に適当とされた.これを国産で実現したものが汽車会社製の工藤式で,国鉄では1912(明治45)年3月にホジ6005形8両(6005〜6012)が登場し,翌年3月にはシングルルーフ,手荷物室付きとなって4両(6013〜6016)が増備された.
原番号ホジ6014は,当初は関西を中心に運用されたが,1918(大正7)年3月に直方へ転入した.1914(大正3)年8月にジハ6006,1928(昭和3)年5月にキハ6401に改番されている.1944(昭和19)年1月の廃車後,蒲郡線で使用する目的で名鉄が譲り受けたが,結局,刈谷工場留置のまま1951(昭和26)年3月に再び廃車,イベント開催を機に犬山遊園地(当時)に搬入された.ところが,1962(昭和37)年10月,鉄道90周年に際して鉄道記念物に指定,国鉄名古屋工場で復元・展示されたが,1967(昭和42)年3月に明治村へ移された.近年,コンクリート製の覆いが掛けられた.本年開催の「明治のりもの博覧会」期間中は,前面扉を開けた状態で展示され,ボイラや客室内も見学可能.
(2002. 6.22調査)
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