ハフ30形30,31は,元は1895(明治28)年に鉄道局新橋工場で 2軸下等客車として製造されたハ1005形1053,1055で,名古屋鉄道管理局所属だったところを1932(昭和 7)年に北恵那鉄道へ譲渡された.全長約 8m,当初は片側に側扉 5ヶ所を有するいわゆるマッチ箱客車であったが,1943(昭和18)年に車体が新製されて,丸屋根,切妻,片側側扉 2ヶ所,2段上昇窓のスタイルとなった.
1964(昭和39)年に廃車となったが,ハフ30の車体は,終点・下付知駅の日本通運で倉庫として使用されるようになった.1978(昭和53)年の同鉄道廃止後も撤去されず,廃車後30年以上が経過する現在も,その姿をとどめている.放置されていたため,全体に荒れており,夏場は雑草に覆われるなど状態は悪い.
(1999.11.14調査)
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