保存車・廃車体めぐり
豊橋鉄道 デワ11
愛知県渥美郡田原町野田 サンテパルク田原

 渥美電鉄が創業用として,1923(大正12)年12月,日車で製造したデハ100形 3両(100〜102)は,直接制御,ハンドブレーキ使用の 9m 級木造単車で,側窓はT字状に配置した 3枚を 3組並べたスタイルであった.1940(昭和15)年 9月,戦時統合による名鉄への合併によりモ 1形(1〜3)となったが,貨物輸送の増大を見込んで,1943(昭和18年)9月,荷重 5t の貨物電車デワ30形に改造された.1954(昭和29)年10月の渥美線分離により豊鉄所属となり,その後は入換などに使用された.

 デワ11はデハ102として製造,モ 3,デワ33を経て,1968(昭和43)年11月の大改番でデワ10形11となった.他の同形 2両は1966(昭和41)年 3月に廃車となったが,11だけは1997(平成9)年 7月の昇圧まで引き続き使用された.翌年 4月,デキ211とともに田原町に寄贈され,創業時の面影を今も伝えている.

(2000. 7. 9調査)

デワ11
デワ11(1999. 2.21撮影)
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鉄道友の会名古屋支部