保存車・廃車体めぐり
京都市交通局 8,15
愛知県犬山市内山 博物館明治村

 通称「N電」は,元はわが国初の電気鉄道・京都電気鉄道(京電)の車両である.1918(大正7)年6月,京電が京都市に買収された際,狭軌を表す「N」を車号に冠して区分したので,N電と呼ばれる.この2両は,車体長27尺,側面窓9個とN電の中では最大で,梅鉢鉄工所にて1910〜1911(明治43〜44)年に製造されたと見られる.買収の際にN58,N115と付番されたが,1955(昭和30)年4月の番号整理により,それぞれ8,15と改番された.

 1961(昭和36)年7月の堀川線(北野線)廃止後,名鉄に引き取られ,ベスチビュル撤去,塗装変更,籐製吊輪設置などを行って「明治」を再現の上,それぞれNo.1,No.2とし,1967(昭和42)年3月に再起した.その後,老朽化のため,1988(昭和63)年と翌々年に順に車体が新造され,このとき,モニタルーフの明り窓やデッキの隅柱上部に京電のマークを入れるなど,原型により近い姿に復元された.

(2002. 6.22調査)

8(No.1)
8(No.1)(2002. 6.22撮影)
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鉄道友の会名古屋支部