「デコイチ」ことD51形は,昭和11年から 9 年の間に実に1,115両が製造された貨物用蒸気機関車である.製造時期等により,半流の原型(なめくじ型),標準型,準戦時型,そして戦時型(1000番代)の 4 つに大きく分類することができる.ボックス輪心動輪の採用,シリンダ圧力アップなど近代化形式のはしりであり,条件によっては旅客列車も牽引した.この地方では,稲沢,中津川,亀山などに配置され,多数が走り回っていた.
この849号機は,昭和18年 9 月浜松工場製の準戦時型で,ケーシングのない凸型のテンダーが特徴的である.ずっと中京地区を走り,晩年は中津川区にあって,中央西線ではおなじみのカマであった.昭和47年 6 月に廃車となり,同年 9 月に現地で展示.豊田市とは縁はないものの,子供たちの願いが展示のきっかけであった.集煙装置ははずされているが,保存状態はすばらしい.
(1997.10.21調査)
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