保存車・廃車体めぐり
日本国有鉄道 C62 17
愛知県名古屋市千種区田代町 東山動植物園こども動物園

 C62形は,わが国最大の旅客用蒸気機関車で,戦後の旅客用機不足を補うため, 1948(昭和23)年から翌年にかけて49両が製造された.余剰のD52形のボイラにC59形相当の走り装置を組み合わせた設計で,軸配置は 2C2(ハドソン形)である.

 17号機は1948(昭和23)年日立製で,D52 269のボイラを転用した.最初は岡山に配置されたが,C62形の東海道線重点配置により,1950(昭和25)年に名古屋へ転入,1953(昭和28)年の名古屋電化以後は下り「つばめ」「はと」も牽引した.1954(昭和29)年12月15日,木曽川橋梁強度調査のための速度試験機となり,狭軌用蒸気機関車として世界最高の129km/hを記録した.1955(昭和30)年の米原電化時に梅小路へ転出し,以後は山陽線・呉線で1970(昭和45)年まで活躍した.

 翌年廃車となり,そのまま搬入,保存された.現在は安全弁やキャブ窓回りなどが黄色に塗装されており,製造所銘板は失われている.

(1999. 7. 4調査)

C62 17
C62 17(1995. 5.18撮影)
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鉄道友の会名古屋支部