保存車・廃車体めぐり
名古屋市交通局 1461
愛知県稲沢市長束町 稲沢住宅団地

 名古屋市電1400形は,乗客増加と1937(昭和12)年開催の汎太平洋博覧会輸送に対応するために製造された形式で,軽量化,外板をリベット留めから溶接へ変更,上昇窓・2枚引戸扉・張り上げ屋根の採用,曲線を多用したデザインなど,名古屋市電の標準設計を確立した.1936(昭和11)年12月から1947(昭和17)年 4月までに75両(1401〜1475)が製造され,そのうち55両が1974(昭和49)年3月の市電最終日まで活躍した.豊橋鉄道へ譲渡された 9両のうち,7 両が今なお健在であるほか,1421が市電・地下鉄保存館に保存されている.

 1461は1941(昭和16)年12月に新潟鉄工で製造された.浄心,大久手,港,高辻などの車庫を移動して,路線縮小が進む1971(昭和46)年11月,大久手車庫配置を最後に廃車となった.港車庫配置時の1966(昭和41)年にワンマン化されたため,その特徴である正面方向幕横のワンマン表示灯が残っている.廃車後に公団住宅内の小公園へ車体のみ移設し,図書室として利用されてきたが,老朽化が進んだため,1995(平成7)年頃に閉鎖され,窓に板を打ち付けて倉庫となった.しかし,その板が外れたり,塗装が剥がれたりしていて,状態は極めて悪い.

(2002. 8. 3調査)

1461
1461(2002. 8. 3撮影)
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鉄道友の会名古屋支部