保存車・廃車体めぐり
名古屋市交通局 1401
愛知県名古屋市中区栄 名古屋市科学館

 名古屋市電1400形は,乗客増加と1937(昭和12)年開催の汎太平洋博覧会輸送に対応するために製造された形式で,軽量化,外板をリベット留めから溶接へ変更,上昇窓・2枚引戸扉・張り上げ屋根の採用,曲線を多用したデザインなど,名古屋市電の標準設計を確立した.1936(昭和11)年12月から1947(昭和17)年 4月までに75両(1401〜1475)が製造され,そのうち55両が1974(昭和49)年3月の市電最終日まで活躍した.豊橋鉄道へ譲渡された 9両のうち,7 両が今なお健在であるほか,1421が市電・地下鉄保存館に保存されている.

 1401は1936(昭和11)年12月に日車で製造された.池下,高辻,稲葉地,大久手,沢上などの各車庫を移動して,最後は大久手車庫配置となり,市電全廃の1974(昭和49)年3月に廃車となった.途中,1969(昭和44)年にワンマン化改造を受けている.その後,地元有力企業5社の協力を得て,名古屋市科学館南側の柵の中に,連接車3003とともに保存されたが,同館増築に伴い北側へ移設された.柵や上屋根はないが,定期的に整備されているため,良好な状態が保たれている.

(2002. 8.24調査)

1401
1401(2002. 8.24撮影)
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鉄道友の会名古屋支部