1957(昭和32)年11月,名古屋市営地下鉄初開業のときの車両は,ウインザーイエローの塗装が眩しい100形12両( 2連 6本)であった.3S(安全,迅速,静粛)の思想を基に諸技術を市電から継承した設計で,15m級のボディマウント構造車体に,弱め界磁付き多段制御,SMEE式ブレーキ,直角カルダン駆動,弾性車輪などを採用している.100形は1963(昭和38)年までに40両が製造されたが,中間車増結,主電動機更新などを経て,1982(昭和57)年から1988(昭和63)年までに全車が廃車となった.
107-108は1957(昭和32)年 9月日車製で,最初の12両のうち最後まで残った 2両である.1985(昭和60)年 9月の廃車後は藤ヶ丘工場の入換車となり,その役目を300形に譲った後も保管されてきた.107の戸袋窓は,ラッシュ時の破損を防ぐため鉄板で塞がれていたが,保存館への移設時に復元された.
(2000. 6.10調査)
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